私は散文的な人間なので
あまり「詩」に興味はありません。
でも時々思い出す印象的な詩があります。
高校の英語の教科書に載っていた
英語の詩です。
タイトルは、“Like Barley Bending”
「身を撓めている大麦のように」です。
短くシンプルな詩ですが、
力強く元気づけられます。
ご紹介しますね。
“Like Barley Bending”
Like barley bending
In low fields by the sea,
Singing in hard wind
Ceaselessly;
Like barley bending
And rising again,
So would I, unbroken,
Rise from pain;
So would I softly,
Day long, night long,
Change my sorrow
Into song.
(Sara Teasdale、1884 – 1933)
「身を撓めている大麦のように」
海のそばの低い畑で
身を撓めている大麦のように
激しい風のなかで歌おう
たえまなく
身を撓めている大麦のように
ふたたび立ち上がる
私も同じ、くじけはしない
苦しみから立ち上がれ
そして私も麦と同じように
そっと穏やかに優しく
昼の間も夜の間も
私の悲しみを歌に変えよう
(訳詩 村川久夢)
作者は、サラ・ティーズデール
(Sara Teasdale、1884年 – 1933年)
アメリカの女性詩人で
ミズーリ州セントルイス生まれです。
日本では韓国のテレビドラマ
『冬のソナタ』第13話で
彼女の作品『The Flight』
(『Love Songs』 所収)が
引用され知名度が上がったようです。
「麦」は「踏まれて強くなる」のように
逆境にあっても強く生きる象徴のような
植物ですね。
身を撓めて海風に耐える
大麦に自らを例え
「私の悲しみを歌に変えよう」
と書いたサラのシンプルで力強い詩に
高校生だった私は
感じるものがあったのでしょうね。
あれから約40年経った今も
簡潔で力強い詩だと思います。
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