おひとり様ごはんが好き~「がんこ寿司」で一期一会

今日の夕方5時すぎ、用事を済ませた帰り道にふらりと「がんこ寿司」の回転寿司に立ち寄りました。

夕食にはまだ早い中途半端な時間帯。店内はガラガラで、カウンター席には私のほかにお客さんはまばらでした。

席について、まずは夏フェアの「鱧(はも)」「穴子」「タコ」を注文。

ふっくらとした穴子に、京都の夏の名残を感じる鱧、歯ごたえのいいタコ。大好きなサーモンや、具だくさんの軍艦巻きを次々と口へ運ぶたび、お腹も心もじわーっと満たされていきます。

 

 

お腹いっぱい大満足で食べて、お会計は2,200円。「なんて賢くて贅沢なご褒美なんだろう」と、心の中で小さくガッツポーズをしました。

 

ふと昔のことを思い出しました。

10年ほど前だったでしょうか。世間で「ぼっち飯」ということばが話題になったことがありました。

「ひとりでご飯を食べている姿を友だちに見られるのが恥ずかしい」という理由で、トイレの個室に隠れてお弁当を食べる若者が増えているというニュースです。

最初はその話を聞いたとき半信半疑でしたが、あるとき神戸の三宮駅のトイレに入って愕然としました。個室の中に、食べたあとのコンビニのお弁当の殻が山のように積まれていたのです。

「本当にいるんだ……」とショックを受けたのを今でも覚えています。

 

私自身もかつては、「ひとりで外食するなんて恥ずかしい」「周りにどう見られているだろう」と、人目を気にしていた時期がありました。

それに、誰かと一緒に食べるご飯も、楽しい反面、気を使ってしまうことが多かったのです。

私はがっつり食べるほうで、しかも食べるのが遅い。

女性の友だちと一緒に食事すると、「えっ、くむちゃん、まだ食べるの!?」と驚かれたり、男性と一緒のときは、相手はとっくに食べ終わっているのに、私はまだ半分も食べていなかったり。

「何を食べようか」とのんびり選んだり、ゆっくり味わって食べるよりも、「女やのに大食いやろうか……」「相手を待たせていないか……」ばかりに頭がいって、自分のペースで食べることを楽しめませんでした。

 

でも、60代になって、3つのことを意識するようになったのです。

 

①私はどうしたいのか?

②どんな私でありたいのか?

③それをして私は楽しいか?

 

「他人の目」という心の制限を外して、「自分」を主体に考えるようになると、人生がものすごく楽しくなったのです。

今日の「ひとりご飯」も自由で贅沢な時間でした。

食べたいものを、自分の身体の声を聞いて選び、自分のペースで味わってゆっくり食べる。私、食事に限らず、急かされるのが大嫌いなんですよね。

大切な人生の時を過ごすのですから、自分のペースを大事にして豊かな気持ちでいたいですよね。

 

そして今日、もうひとつ嬉しいことがありました。

「がんこ寿司」で席に案内してくれた店員さんは、彫りが深くて肌が浅黒い外国人イケメンでした。洒落たジャズバーにいそうな端正な顔立ちなんです。

「回転すし店にはちょっと合わへんかも……」と最初は少し驚いたのですが、お寿司を楽しんだあと、レジへ向かいました。

席に伝票のようなものはないので、「自動的にわかるようになってるんかな?」と思って、レジに行くと、イケメンの店員さんが、カウンターを「あれ? 何番の席だったかな?」というように、何度も見ています。

「あ、6番でしたよ」とお伝えすると、「あ、6番ですか!」とホッとした様子でお会計をしてくれました。

私は外食をしたとき、いつもお店を出る前に、レジの店員さんをしっかり見て「ごちそうさまでした」と伝えるようにしています。

今日も、イケメンの店員さんをちゃんと見て、「ごちそうさまでした」と言いました。

すると、ずっと表情がなかった店員さんの表情が緩んで、笑顔になって、「ありがとうございました!」と見送ってくれたのです。

こんなふうに笑顔が返ってくると、とても嬉しい。自分のペースを大切にして、美味しいものを味わい、出会った人に感謝を伝える。

 

 

このように自分を大切にできる毎日はとても幸せなんですよね。

外に出ると、初秋と言うには、まだまだ蒸し暑い京都の夕方でした。

(おひとり様ごはんが好き~「がんこ寿司」で一期一会:村川久夢)

 

 

 

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