今日は「終戦の日」、正式には「戦没者を追悼し平和を祈念する日」です。

終戦から81年を経た現在、世界は分断と対立が激化し、「武力=正義」という考えがまかり通ろうとしています。核戦争の危機に加えて、AIの軍事利用も大変深刻な脅威です。
「問題解決は難しいから」「私は無力だから」と言って、簡単に諦めてはダメだと感じます。「終戦の日」に寄せて、自分の頭でどのように考え、どう行動するかを考えたいと思います。
▶貧困が分断を生み、思想が統制されていく怖さ
私自身も今の社会の危うさを肌で感じます。SNSで飛び交う攻撃的で扇動的なことば。主張と反論ばかりで、会話が成立しない怖さ。自分と違う他を排斥するヒリヒリする空気感。
「だからどうしたらいいの?」という問いかけには、そんなに簡単な回答はありません。むしろ、安直で楽観的な回答を私は怖く感じます。
現在社会の分断や対立や排他的な空気感の背景には、貧困が厳然と存在しています。
月末になると食費を削らないとやって行けない。給食のない夏休み明けに、痩せて登校してくる児童や生徒。今日、寝る場所が見つからない。明日、仕事があるかどうかわからない。
このような状況に陥った人は、会話したり、他を理解したりする余裕を失ってしまいます。わかりやすい「敵」を見せられて、真実から目を逸らされてしまうのです。
かつて国家が思想を統制し、国民の声を封じた時代もそうでした。昭和3年生まれで、敗戦時、17歳だった父がこのように語っていたことが強烈に蘇ります。

「日本の男はみんな20歳まで生きられない。鬼畜米英と戦い、天皇陛下やお国のために死ぬのだと教えられていた。教育は怖いんやで……」と。
▶戦争の悲惨な現実を風化させてはいけない
中学の教師だったころ、修学旅行で長崎を訪れ、語り部さんのお話を聞きました。語り部さんは原爆で母、祖母、妹を亡くされ(父はそれ以前に他界)、引き取られた叔母様も白血病で亡くされたそうです。

「それからは人の畑や店から食べものをかっぱらって生きるしかなかった」と語られていました。
お話の後、「どのくらい語り部をされているのですか?」とお尋ねすると、
「1年ほどですよ。原爆のことは早く忘れたかった。でも、先輩が次々と亡くなり、原爆の恐ろしさが風化するのに耐えられなくて。……語り部をするまでに50年かかりました……」
このように仰ったことばが今も忘れられません。
語り部さんのことば、終戦時に17歳だった父と10歳だった母から聞いた戦争の悲惨な現実を風化させてはいけないのです。
▶民主主義を豊かにし強固にするための道具としてのAI
AIの脅威や世界的な分断や対立の構造は、国家の覇権争いやビッグテックの軍事・産業利用という視点で語られがちです。
しかし、権力や富の集中による格差、社会の分断や対立によって、足元で苦しんでいる国民の声や実態が抜け落ちてはいけないと感じます。
原子力(核)がエネルギーにもなれば未曾有の悲劇(原爆)にもなったのと同様に、AIも人がどのように使うか次第ではないでしょうか。
市民社会や民主主義を豊かにし、強固にするための道具としてAIを用いることができます。
たとえば、台湾の「vTaiwan」のように、これまで届かなかった無数の人々の本音や細やかなニーズを吸い上げることができます。
AIを活用して、市民が何を恐れ、何を避けたくて、何を望んでいるのかを集約して、言語化し、政策に生かすべきではないでしょうか。
「武力が正義」という考え方が支配的な現在の国際社会。「無力な私に何ができるのか?」と虚しさを感じても、下記3つのことではないでしょうか?
✅️感情的で攻撃的なことばに踊らされてはいけない。
✅️事実をきちんと見る目を持って、真実を語っている人を見つける。
✅️簡単に諦めない。

微力ながら、簡単に諦めず、ブログやSNSで書いて「武力が第一」に抵抗し、次の世代へ届けていきたいと思います。
(「終戦の日」に寄せて~AIを脅威の武器ではなく平和を共創する道具に:村川久夢)
《あわせて読んでほしい記事》
昨年の終戦の日に、父が体験した軍国主義教育や大本営発表への疑問、そして戦後の激変についてさらに詳しく書きました。あわせてお読みいただけると幸いです。
*【終戦の日に寄せて】自分の頭で考える力~父が語った戦争の記憶に学ぶ

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