先日、「第2回ちえうみ書評委員トークイベント」に参加しました。

『信仰は共同体をつくりうるか――孤立の時代のつながりを考える』というテーマについて、立教大学教授の加藤喜之先生と哲学者の朱喜哲さんの対談を聞きながら、深く考えることができました。
▶社会科学の目と宗教の精神が必要
私自身は浄土真宗と縁が深く、親鸞聖人の寛容と受容の精神に救われるものを感じています。
ただ、大谷大学の学生だった頃、貧困から抜け出したくて必死だった私には、大学の講義は正直いまひとつ心に響きませんでした。
当時は社会科学で貧困の理由を明らかにして、具体的には奨学金などの制度に助けられていたからです。
しかし年齢を重ね、社会構造がわかっても、社会や経済という大きな問題の前では、自分の無力が虚しくなることがありました。
そんなとき、めったにないことですが西本願寺の御影堂で親鸞聖人の御真影に手を合わせたのです。そのとき、静寂のなかですべてを受け入れられたように感じました。

▶今必要な共同体とは?
御影堂を出て、廊下で見つけた、魚の形の埋木。木の傷んだ部分を欠損とするのではなく、魚の形として生かす寛容と受容の精神にとても心を打たれました。

足りない部分を補い合う寛容さの中で、行政・信仰・ボランティア・芸術などが一体となって支え合うこと。それこそが、これからの共同体の姿になり得るのではないかと感じたのです。
その日の食事に困らず、明日の仕事があるかを思い煩うことなく、安心して眠れる住居があること。
どんなに分断や対立が進んでも、誰にとっても必要な願いではないでしょうか?
分断と対立で危うい現代社会で、表現者の一人として、共同体を支える一人になりたい、「私にできることは何か?」と感じました。
人として生きる最低限を保障されること、足りないところを補い合う寛容と受容の精神の貴重さをこれからも発信しつづけたいです。

(分断と対立の時代に思う~行政、信仰、ボランティア、芸術からなる共同体:村川久夢)
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*静寂の中ですべてを受け入れられた~親鸞聖人の御真影に手を合わせた

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