【ああ、京都人】祇園祭を楽しむコツ~人混みを避けて味わう祇園祭

7月も半ばに入り、四条通りには鉾が立ち並び始めました。

夕闇が迫る頃、祇園囃子の音色とともに提灯の灯りがパッと灯る。そんな景色を見かけると、「ああ、今年も京都に夏が来たな」と、しみじみと深い情緒を感じています。

 

 

実は私、子供の頃は祇園祭が大嫌いでした。

子どもに祇園祭の情緒がわかるわけもなく、父が「せっかく京都に住んでるんやから」と連れ出してくれても、あまりの人の多さにうんざりして、「早く帰りたいなぁ」とばかり思っていたのです。

でも、一つだけ楽しみがありました。

人混みを離れ、下珠数屋町通りの方までぐっと南へ下りると、そこには有名なお寿司屋さん「すし岩」さんがあります。祇園祭の帰りに父がそこで美味しいお寿司を食べさせてくれるのです。

祇園祭そのものは苦手でも、「すし岩のお寿司が食べられる!」という下心だけで、父の誘いにはいつも喜んでついて行っていました。今となっては、本当に愛おしい父との夏の思い出です。

その後、学校の教師になってからは、7月中旬といえば目が回るほど忙しい時期。

祇園祭とはすっかり縁のない日々を過ごしました。さらにその後は、うつを患ったことで人混みが怖くなり、お祭りからはますます足が遠のいてしまったのです。

そんな私が、最近になってようやく、祇園祭の本当の美しさや情緒がわかるようになってきました。

それでも、私は絶対に混雑を極める「宵山」の四条烏丸の中心地には行きません。あの「えぐい」と表現したくなるほどの人混みの中に飛び込まなくても、祇園祭を心から堪能できるルートを知っているからです。

 

 

ある年、千葉県出身で大阪に住む友人が宵山の日に「祇園祭に行ってみたい」と言いました。

そこで私たちは、祇園祭の名物である「鱧(はも)」のお料理をゆっくりといただいた後、人混みを一歩外れたルートを歩くことにしたのです。

新町通を北へ上り、四条通りの方へ向かうのです。

 

 

あえて四條烏丸周辺を避けて、少し西に行ったのです。そこには静かに佇む山や鉾があります。

 

 

歴史ある町家の格子戸が開かれ、それぞれのお宅の家宝を見せていただけるのです。「屏風祭(家宝の展示)」ですね。

 

 

 

お宝を見せてもらっていると、「どうぞ」と冷たい麦茶を振る舞って頂いたり。

 

 

浴衣姿の子どもたちが、「ろうそく売りのわらべ歌」を歌っている――。

その声を聞きながら、静かな夜の空気を纏った山鉾を見上げるだけで、十分に「ああ、祇園祭に来てよかった」という贅沢な情緒を味わうことができるのです。

 

 

もし、これから「祇園祭に行ってみたいな」と思っている方がいらしたら、京都人の私から小さなアドバイスを。

四条烏丸周辺はものすごい人混み(特に宵山)です。少し筋を外れた通りを歩き、大切に受け継がれてきた家宝を見せてもらい、子どもたちのわらべうたに耳を澄ます。

そんな「ちょっと外れた場所」で祇園祭を楽しまれるのが、一番の贅沢ではないかなと思います。

京都在住セラピスト作家:村川久夢

 

 

 

 

 

 

 

『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』

村川久夢は京都生まれの京都育ち。一人の京都人の目を通して、京都や京都人について、拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』に書きました。

戦争や政争が絶えなかった京都で、生き抜いて来た京都人の知恵を、また、観光化されていない日常の京都や地元の人に愛されている京都の穴場、食べ物やお店についても新著に書きました。     

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