高市首相の陣営(秘書ら)が、総裁選や衆院選の際にAIを活用した他候補をおとしめる中傷動画を大量に作成・拡散していたとする週刊文春の報道が、国会で激しい論戦になっています。首相側は関与を否定しています。

でも、私はスキャンダルで大騒ぎされている裏では、
「もっと私たちにとって重大な決定や不都合な事実が隠されているのではないか?」
「国民の目をそらさせようとしているのではないか?」
そんな強い不安や疑念を抱きます。
▶スキャンダルの裏で重要な法案が動いている
日本で「スキャンダルの裏で重要な法案が動いている」と当時非常に強く批判され、SNSでも大論争になった事件がありました。
2020年元俳優の違法薬物(大麻)所持による逮捕スキャンダルです。また、同じ2020年の初頭(1月)には、有名女優の違法薬物事件に関する初公判があり、これもワイドショーなどで連日トップニュースとして非常に大々的に報じられていました。
実は、その裏では 政府に都合の良い検察官の定年を延長できるようにする「検察庁法改正案」の審議が、国会でひっそりと進められていました。

この時は、国民が「芸能人のニュースばかりで、この重要な法案の強行採決を隠そうとしているのではないか」と気づき、当時のTwitter(現X)で「#検察庁法改正案に抗議します」という大規模な運動に発展し、結果として政府は法改正を断念することになりました。
▶大きな問題が国会を経ずにひっそり決められている
殺傷能力のある軍事用の武器(防衛装備品)を海外へ輸出できるようにするルール変更が、2026年4月21日の国家安全保障会議及び閣議決定により進められています。
通常の国会での法改正ではなく、政府が定めた『防衛装備移転三原則』の運用指針という形で変更された点に、私は強い懸念を抱いています。
国会での法改正の議論を経ていないのです。通常、国のあり方を変えるような大原則は、国会で与野党が公開の場で議論し、「法律」を変える形をとります。

しかし、今回の武器輸出のルールは政府が定めた「防衛装備移転三原則」というルールの運用指針という位置づけになり、政府方針として決定されたのです。
(出典)
「2026年4月21日の国家安全保障会議決定」
*内閣官房
*防衛省・自衛隊
▶自分の国は自分で護る~護り方は軍事力だけじゃないはず!
殺傷能力のある武器輸出の話題になると、国際的に紛争や戦争が多発していて、近隣国からの軍事的圧力が増大している。「自分の国を護る軍事力が必要だ」という強い主張があります。

「自分の国は自分で護る」ということばは、颯爽として頼もしく感じます。
しかし、スキャンダルのどさくさに紛れて、ことばだけが美しいこの主張が通ってしまうことに、私は強い懸念を覚えます。
自分の国を護る方法は、軍事力だけですか?
日本にしか開発できない『AI搭載介護ロボット』を、一つの強力な経済・技術的抑止力として位置づけられる高い可能性があるのです。
日本は早くから高齢化問題に直面していて、介護現場での問題点や改善方法に関する膨大なデータを保有し、進んだ機械技術を保有する会社も数多く存在しています。
その結果、介護ロボットの導入実績や市場シェアにおいて日本は世界をリードしており、アジアをはじめこれから高齢化が進む国々で需要が急増すると予想されています。
日本の進んだ介護ロボットがなければ、介護現場が成り立たなくなってしまう国も出てくるでしょう。
(参考)
アジアで急増する「介護ロボット」需要~世界をリードする日本勢
▶「話し合いや外交努力は役立たない」は真実ですか?
人々の生活が苦しくなり、現政権への不信や不満が高まると、人々は極端な主張をする方に引かれてしまうのです。
遠い国の話ではありません。日本でも1930年(昭和5年)から始まった凄まじい不景気が「昭和恐慌」です。東北地方では、繭の価格下落と冷害による凶作でその貧困は深刻だったのです。
家で食べるものが何もなく、木の根や藁、野草の根をかじって飢えをしのぐ子どもたちが小学校にあふれました。栄養失調で命を落とす子どもも少なくありませんでした。
明日の食べ物にも困った親たちは、家族が生き延びるために、10代の娘たちを都市部へ出稼ぎや家事奉公、場合によっては芸妓・娼妓として前借金と引き換えに送り出さざるを得なかった事例が報告されています。
「話し合いばかりで生活は少しも良くならない! 飢え死にするしかない!」
このように現実生活の厳しい困窮に追い詰められると、人は冷静な話し合いや、議論に解決を求めなくなり、力に依存してしまうのです。
でも、力に引かれた結果がどうなったかは、第二次大戦のナチス・ドイツや、日本の敗戦を見れば明らかです。

力に頼って、一番被害を受けるのは、貧困に苦しんだ人々ではないでしょうか? 歴史から教訓を得るべきときです。
▶自分の頭で考えるのをやめてはいけない!
私が忘れられないのは、父のこんなことばです。
「戦争はある日、突然、飛行機が爆弾を落とすのではない。教育や思想がだんだんおかしくなるんやで……」
当時17歳で敗戦を迎えた父は、国全体が少しずつ、目に見えない形で「操作」されていった恐怖を肌で感じていたのです。

今の日本も、もしかしたら当時のように、私たちが気づかないうちにどこかへ誘導されているのではないか。そう思うと背筋が寒くなるように思います。
スキャンダルは問題ですが、もっと私たちが直視しないといけない問題があるのではないでしょうか?
軍国教育を受け、大本営発表と現実の差を肌で感じていた父が、一番恐れていたのは、「人々が自分の頭で考えることをやめ、大きな流れに飲み込まれていくこと」でした。
▶私たちが今できる3つのこと
政治家のことばは時に力強く、魅力的です。
でも、勢いや熱意にただ「踊らされる」のではなく、自分の足で立ち、自分の目で現実を見極めるために、私は次の3つのことを大切にしたいです。
1、「極端なことば」から一歩引く
『これをしないと日本は滅びる』
『これさえ変えればすべて解決する』
といった、恐怖や希望を極端にあおる二元論には特に注意が必要です。世の中には必ず「別の見方」があります。
情報を鵜呑みにせず、「なぜこの人は、今このことばを放ったのか?」と背景を想像したり、事実関係を調べたりするようにしています。
2、「感情」を揺さぶられたときこそ、立ち止まる
人の心は「思想」によって少しずつ形作られます。怒りや不安で胸がいっぱいになった時は、誰かの「操作」を受けやすい状態だと言えます。
一度深呼吸をして、客観的な事実(数字や歴史的な経緯)を調べる冷静さを保ちたいです。
3、今の政治が私たちの未来をどう変えるのか、読み解く努力を諦めない
政治家にすべてを任せきりにせず、今の政治が私たちの未来をどう変えるのか、読み解く努力を諦めないこと。
戦争は、無関心と盲信から始まります。父が教えてくれた「自分の頭で考える力」を、今度は私たちが護るときです。
▶無関心の先にあるのは戦争
戦争は無関心から始まり、偏った確信によって加速します。メディアが騒ぐ問題に気を取られていいのでしょうか?
「自分にはわからないから」
「どうせ何か言っても現実は変わらないから」
と目を背けず、かといって誰かのことばを鵜呑みにもせず、事実を見つめ、考えること。それこそが、私たちが今できることです。
もちろん、安全保障環境が厳しい今、防衛力の強化自体を否定するつもりはありません。ただ、軍事力一辺倒ではなく、多角的な『国を守る力』を考える余地があると私は考えます。
※2026年6月13日 更新
(スキャンダルに惑わされず、自分の頭で考えるために ~高市首相報道から見える無関心の危うさ:村川久夢)
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最近、高市首相をめぐる報道が騒がしいですね。
でもスキャンダルばかり追いかけていて、本当に大事なことから目をそらしていないでしょうか?無関心の先にあるものについて、一緒に考えてみませんか。
記事はこちら👇
*【終戦の日に寄せて】自分の頭で考える力~父が語った戦争の記憶に学ぶ

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