60代「人生の衣替え」~子どもの頃の服を着つづけますか?

明日から6月。ちょうど衣替えの季節ですね。

クローゼットを整理しながら、昔、アメリカのケネディ大統領が語ったというあることばをふと思い出しました。

 

「子どもが大きくなったとき、子どものころの服を着ることはできない。それと同じように、時代や社会が変化しているのに、体に合わなくなった古い服を着続けることはできないのだ」

 

体に合わなくなった昔の服を、私たちはいつまでも着続けることはできません。それは人生も同じではないでしょうか。

60代半ばになった私も、今まさに「人生の衣替え」の真っ最中。

どの服を着続け、どれを処分するかという「基準」を見つめ直し、悩みながらも手放し、迷いながらも新しい生き方を選び取っています。

 

 

明日から6月、一年の前半締めくくりの月です。この記事では「人生の衣替え」について、考えてみたいと思います。

 

選び取る覚悟と手放す勇気、この「取捨選択」は、多くのものの中から、ある基準によって、取るものと捨てるものとをえり分け選びぬくことです。

私が子どもの頃は高度経済成長期、成人した時はバブル期でした。「なんかおかしいな……。これでええんかな?」

そんな違和感を覚えながら、物質的な豊かさや効率主義に影響されていました。

バブル期に「グルメ」ということばが流行り、評判の名店を巡っては、美味しいものを食べ、豪華なアンティークアクセサリーに凝って、お小遣いを注ぎ込んだりしたのです。

考え方も経済優先、効率主義に傾いていたのです。そんなにお金があったわけではないのに、「お金さえあれば何でもできる」のように考えていました。あの頃の私にとっては、それがお気に入りの最先端の服だったのです。

 

 

ところが……。

世の中はそんなに甘くありませんでした。バブルは崩壊し、私は過労とストレスからうつ病になったのです。追い打ちをかけるように、母のパーキンソン病が進行しました。

働き者だった母が寝たきりになり、母が元気だった頃は自分のパンツがどこにあるのかもわからなかった父が、母の介護と家事をするようになりました。

私の価値基準を決定的に覆したのは、夫の急逝でした。

病気も命もお金ではどうしようもありません。私は自分の無力を思い知ったのです。バブル期には絶対だと思っていた「華やかな流行の服」は、私にはぜんぜん合わなくなっていたのです。

 

夫の死で私のうつ病は悪化し、勤務に支障をきたすようになりました。うつ病を患いながら、教師をつづけることは、本当に大変でつらかった。

でも、まわりの人からは、「経済的に安定している教師の仕事を辞めるなんてもったいない! もうちょっと頑張れ! 頑張れ!」と言われました。

そんな時、弟が遺族年金のことなどを調べて、仕事を辞めてもなんとか生活できることがわかりました。そして、弟はこう言いました。

 

弟が調べてくれた!

 

「今まで一生懸命にやってきたんやから、もう辞めてもええと思うで」と。

弟のことばで私は早期退職を決意できたのです。

父は、私が教師であるのをとても自慢にしていたので、教師を辞めたと知ったら、怒るだろうと思いながら、恐る恐る父に早期退職したことを話しました。

父は一瞬、呆然としました。でも、すぐにこう言ってくれたのです。

「辞めたかったら辞めたらええんやで。親も兄弟もついているから、何も心配せんでもええ」と。

 

 

私は涙が出そうになりました。家族がどんなにありがたいかを痛感したのです。私は、この時のことを一生忘れません。

 

父も弟もうつ病で寝てばかりの私に、一言も非難がましいことはいいませんでした。二人が温かく見守ってくれたこともあって、私は少しずつ回復できたのです。

その後、インナーチャイルドカードセラピーに出会い、本当にやりたかったことを見つけることができました。

それは「幼い頃の心の傷が制限となって生きづらい人が、心の制限を外して、夢を叶える」というメッセージを、毎日のブログや著書に込めて発信することです。今は特に小説を書くことに夢中です。

 

 

 

私の価値基準はすっかり変わり、今は常に自分にこの3つのことを問いかけています。

✅️私の大切な時間やエネルギーを使って私は何をしたいのか?

✅️流行りの考え方ではなく、自分はどうありたいのか?

✅️私はそれをして楽しいか?

 

 

自分に問いかける

 

それが私の価値基準になりました。そして、今、私が一番に願うことは「家族の健康」です。

父が亡くなり、家族は弟一人になりましたが、お互いに助け合って、私は今を楽しく過ごしています。

自分の基準で選び直した服こそが、今の私に一番心地よくフィットするのです。

 

上半期の最後の月、6月。

ちょっと立ち止まって、こんなふうに自分に問いかけてみるのもいいかもしれないですね。

 

✅️自分は何をしたいのか?

✅️自分はどうありたいのか?

✅️それをして自分は楽しいか?

 

世の中の基準ではなく、自分の価値基準を持っていると、世の中がどんなに変化しても、対応して生きられます。これは自分軸とも言えるでしょう。

そして「手放すもの」と「選び取るもの」を決めるのです。それができると、人生はぐっと楽しくなりました。

 

 

60代は、自分の選択基準を問い直す時でもあると思います。私は還暦を迎えた時、先に書いた私の価値基準を持ったのです。

主体は「自分」、世の中ではありません。そして、「選んだのは自分だ!」という覚悟と責任を持てるようにもなったのです。

覚悟と責任をもって取捨選択できると、人生が楽しく充実します。

2026年の前半締めくくりの月に向けて、もう合わなくなってしまった古い服を手放し、今のあなたに本当に似合う生き方を、勇気と覚悟を持って選び取ってみませんか?

(60代「人生の衣替え」~子どもの頃の服を着つづけますか?:村川久夢)

 

 

 

 

 

 

贅沢好みでパチンコ大好きな夫と、倹約と貯金が命の妻。この短編小説では、 水と油のような二人が、ケンカをしたり、足りない部分を補いあったりする日常をコミカルに描いています。

きっと「あるある!」「うちもそう!」とクスッと笑ったり、ホロリとしたり、ほのぼのできる短編小説です。

【特別付録エッセイも同時掲載!】

『価値観の違う夫婦が豊かに共生する秘訣を内緒で教えます!』

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