「ブレない強い人が素晴らしい」という風潮に違和感を覚えたことはありませんか?
私は目標に向かって計画を立てて、ひたすらブレずに生きていたのですが、思いもしなかったうつ病でぶれぶれになってしまったのです。
そんなとき「ブレない」ということばが本当につらかったです。
▶ぶれない強さに押しつぶされた私
高校生のころ、シャーロット・ブロンテの小説『ジェーン・エア』に心酔し、「『ジェーン・エア』について大学で学び、もっと深く読んでみたい!」と決めて英文科へ進学しました。
バブル時代にも周囲が遊んでいる間、勉強一筋だった私。
卒業後は中学校の英語教師になり、英語が苦手な生徒が英語に興味をもてるように一生懸命に授業を工夫し、放課後は「先生、教えて」と言ってきた生徒に教えていました。
実際のところ英語教師は、英語を教えること以外の仕事が多くあり、それがとても大変でした。
でも、私は放課後、生徒に教えるのが好きだったのです。生徒会活動の指導をしたり、人権学習を中心になって進めたり、無理を重ねたからか、うつ病で倒れてしまいました。
病気で集中力や記憶力が失われ、まともに英語を教えられなくなった私は、退職を余儀なくされたのです。
一生懸命に学んだ英語が、今では私を苦しめる原因になってしまったのです。
▶「レジリエンス(復元力)に小さな灯りが灯った
英語教師を辞めたとき、「二度と英語に関わらない!」と心に誓いました。
人生が灰色になり、「私の人生は終わった」と思う毎日。朝起きると虚しくて、何もかもが無意味に感じられたのです。
そんなある日、ふと気まぐれにオンライン英会話の体験レッスンを受けてみました。最初は暇つぶしで始めたオンライン英会話でした。
そこで出会ったフィリピン人講師のスウィート先生が、私に「レジリエント(resilient)」ということばを教えてくれました。

「レジリエント」とは、「しなやかな復元力」「立ち直る力」という意味です。
彼女はこうつづけました。「フィリピンは貧しい国だけど、私たちはレジリエント!だからつらいことがあっても笑顔を忘れない。へこたれないの!」と。
その瞬間、私の頭には強風で大きくたわんでも決して折れない柳の枝が浮かんだのです。「ブレない」のではなく、「たわんでも立ち直れる」強さ。

今の自分に最も必要なのは、このしなやかな復元力だと気づいたのです。心に小さな灯りがともりました。
▶教師を辞めても無価値になったわけじゃない!
教師を辞めたからといって、自分が無価値になったわけじゃない!
私は暇つぶしで学んでいた英語と本気で向き合ってみました。そして「私が今できることからやってみよう」と前向きになったのです。
オンライン英会話で学んだことをノートにまとめて、レッスンで気づいたことを英文エッセイに書き直し出しました。
その時、私は「書いて表現する」ことに深い喜びを感じたのです。

英語でエッセイを書きながら、自分の思いを表現できるのは、英語ではなく日本語だと痛感して、日本語のエッセイも書き始めたのです。

ブログでエッセイを公開すると、さらに世界が広がりました。自分のエッセイや小説を書く喜び、それを読んでもらう嬉しさ。私は少しずつ自信を取り戻したのです。
▶心を回復させてくれた「レジリエンス(復元力)」
あの時、ボッキリ折れたと思えた私の心を回復させてくれたのは、「レジリエンス」でした。
人は大きくたわんだとしても、復元できるのです。
今、もしあなたの心が折れそうに苦しんでいるなら、「ブレない強さ」ではなく、「たわんでも復元できる力」を信じてみませんか?
人はみんな柳の枝のようにしなやかで強いものを持っているのです。あなたの心にも、きっとその「レジリエンス」が眠っています。
今は大きくたわんで半端なく苦しくても、心の奥にあるレジリエンスが働いて、立ち直れることを信じてみませんか。
(レジリエンス~心が折れそうでも撓んで折れない強さ:村川久夢)

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