死ぬ日まで天を仰ぎ一点の恥もないことを~尹東柱『序詩』おうち芸術祭二日目

「詩はあまり読まないし、書かない」と思っていました。でも、今までの人生で、ハッとするような何編かの詩に出会っていたのです。

韓国の国民的詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)の『序詩』もそうです。

 

尹東柱『序詩』

 

韓国語学習に夢中だったころに出会い、「なんて清冽な詩なんだろう!」と衝撃を受けたのを覚えています。

ゴールデンウィーク「おうち芸術祭」の二日目は詩です。

 

まだ「冬ソナ」ブームの前、日韓ワールドカップ共同開催のころ、私は韓国に夢中でした。夢中になったキッカケの一つが韓国語だったのです。

初めて韓国に行ったとき、まったく韓国語はわからず「ハングル酔い」したくらいでした。

 

だから、韓国語と日本語に共通のことば(漢字語)を知ったときは驚きだったのです。

*「お会計お願いします」→「ケイサン(計算)へジュセヨ」

*「案内して下さい」→「アンネイ(案内)へジュセヨ

 

漢字語への興味がむくむく湧いて、帰国後は当時はやっていたヤフーチャットの韓国ルームで毎日のように、日本に関心のある韓国の人と会話していました。

ちょっと興味深い言い回しがあると、ハングルで表記してもらって、パソコンのそばに置いているミニノートに書き写しました。

 

私の韓国語学習ノート

 

何度も読む練習をして、韓国ルームの会話で使えそうだったら、ガンガン使っていたのです。

不思議にそうして覚えた言い回しは定着して、今も覚えているものがあります。

たとえば、「大酒飲み」を「スルゴレ(술고래)」ということや、「お世辞をいわないで」は「ビヘンギ テウジ マセヨ(飛行機に乗せないで:비행기 태우지 마세요)という言い回しは、今でも覚えています。

そんな時にであったのが、尹東柱の『序詩』だったのです。

 

『序 詩』

死ぬ日まで天を仰ぎ

一点の恥もないことを

葉群れにそよぐ風にも

私は心を痛めた。

星をうたう心で

すべての死んでいくものを愛さねば

そして私に与えられた道を

歩んでいかねば。

 

今宵も星が風にこすられる。

1941.11.20

(森田進訳)

 

(原 文)서시

죽는 날까지 하늘을 우러러

한 점 부끄럼 없기를

잎새에 이는 바람에도

나는 괴로워했다

별을 노래하는 마음으로

모든죽어 가는 것을 사랑해야지

그리고 나한테 주어진 길을

걸어가야겠다.

 

오늘 밤에도 별이 바람에 스치운다

 

そのころ、毎日のように投稿していたSNSになんとハングルでこの詩の感想を書いています。

 

어제 처음 윤동주씨의 서시 라고 하는 시를 읽었다

아주 강한 인상을 받았다

어제까지 윤동주 라는 이름만 알고있었지만

그 사람의 시를 읽은적은 없었다

그것은 순수하고 아름답고 격한 시 였다

일본어로도 한국어로도 그 시는 읽을수있었으니까

한국어로 목소리에 나서 읽었다

그 울림도 아주 아름다웠다

처음 시의 울림의 아름다움을 알었다

아주 감동 했다

 

今となっては、自分が韓国語で書いた感想を翻訳サイトで訳さないとわかりませんでしたが、こんなことを記していました。下記が日本語訳です。

 

(日本語訳)

昨日、初めてユン・ドンジュさんの『序詩』という詩を読んだ。

とても強い印象を受けた。

昨日まで、ユン・ドンジュという名前だけ知っていましたが、

その人の詩を読んだことはありませんでした。

それは純粋で美しく激しい詩でした。

日本語でも韓国語でもその詩は読むことができたので、

韓国語で声に出して読みました。

その響きもとても美しかったのです。

初めての詩の響きの美しさを知って、

とても感動しました

(2006.10.6 mixi日記に投稿)

 

考えてみると、人生で出会った忘れられない詩をブログに掲載しています。

 

*高校の英語教科書に載っていたサラティーズディールの”Like Barley Bending”

【英詩】”Like Barley Bending”~逆風に身を撓める大麦のように!

 

*大学時代に出会った谷川俊太郎さんの『今』

『今』(『新選 谷川俊太郎詩集』より)––「今」を生きる

 

*大学時代、フランス語の授業で知ったポール・エリュアールの『自由』

ポール・エリュアール『自由(Liberté)』~詩は記憶として心に残る

   

*最初のエッセイ集を出版したときに出会ったライホルドニーバーの” Bloom where God has planted you.”

『置かれた場所で咲きなさい』~Bloom where God has planted you.日本語訳~

 

どの詩もすっかり忘れていて、ふとしたことで「あ~そう言えば……」と詩に出会ったころのことを思い出すと、その詩がくっきりと心に浮かび上がってくるのです。

詩は記憶として心に残るのでしょうね。

村川久夢のゴールデンウィーク「おうち芸術祭」の二日目は詩でした。

(死ぬ日まで天を仰ぎ一点の恥もないことを~尹東柱『序詩』おうち芸術祭二日目:村川久夢)

 

 

 

 

 

 

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