最近はブログや小説を書くのに夢中ですが、私は絵画鑑賞も水彩色鉛筆やクレヨンで絵を描くことも好きです。
30代は西洋絵画、特にエコール・ド・パリの画家モーリス・ユトリロに夢中になり、パリまで行ったくらいでした。
ユトリロの『パリ郊外』に大原美術館で出会ったことが、絵画鑑賞好きになったキッカケでした。今日のブログにユトリロ絵画との出会いを記しました。

▶大原美術館で出会った「その絵」
私が、まだ高校生だった頃、家族で倉敷に旅行しました。
有名な大原美術館も見学しましたが、当時の私は美術に関する知識はないにひとしかったのです。正直、絵画鑑賞は退屈で、特に何の感慨も持ちませんでした。

しかし、一枚の風景画に心惹かれたのです。パリらしき街角を描いた絵でしたが、私は「その絵」から目を離すことができなくなりました。
今でも覚えていますが、自分がなぜガイドブック等で紹介されているエル・グレコやルノアール、ミレーのような有名な絵ではなく、「その絵」なのかわかりませんでした。
でも、「その絵」は心に訴えかけてくるものがあったのです。そのころの日記を引っ張り出すと、このように書いています。
【絵のことは全然わからないけれど、エル・グレコの『受胎告知』、ルノアールの『泉による女』、ユトリロの『パリ郊外』、ミレーの『グレヴィルの断崖』が、なんとなく気に入った。】

「その絵」は、あのエコール・ド・パリの画家、モーリス・ユトリロの絵だったのです。当時は、ユトリロのことはまったく知りませんでした。
▶ユトリロが描く詩情あふれる静謐な世界
モーリス・ユトリロは、画家でもあった奔放な女性シュザンヌ・ヴァラドンの私生児として生まれ、母親に放置され、中学生の頃にはすでにアルコールに手を出していたのです。
アルコール依存症に陥ったユトリロは、飲酒治療の一貫として絵を書き始めました。最初は治療として始めた描画でしたが、すぐに才能を表します。
しかし、何の支援もないまま、酒代を得るために安価に売られた絵は、純粋に「生きるための表現」でした。
作品のほとんどはパリ・モンマルトルの風景画。
それも、小路、教会、運河などの身近なパリの風景を描いたものですが、ありふれた街角も彼が描くと詩情あふれる静謐な絵になったのです。

▶ユトリロ絵画との再会
社会人になり仕事が忙しくなると、私は大原美術館で出会ったユトリロの『パリ郊外』のこともすっかり忘れていました。
30代になって少し落ち着いたころ、毎週NHKの「日曜美術館」を見ていました。その番組でユトリロに再会したのです。
ユトリロの生い立ちやユトリロのアルコール依存症についても知り、ユトリロ作品に魅了されました。
ユトリロの孤独な魂から生まれた作品は、美術に疎い女子高校生の心さえ捉えて離さなかったのでしょう。
『パリ郊外』は『コタン小路』『ノルヴァン通り』『ドゥーユの教会』など「白の時代」の作品に比べると、目立たない作品のように思えます。
しかし、何の知識もない高校生だった私の心を捉えた『パリ郊外』は、私にとって最も印象的な絵です。
▶心の目で見た街角を描いた
ユトリロに心酔し、彼が愛し描いたモンマルトルの街角を実際に見てみたいと、冬休みにパリまで行ったほどでした。


実際のコタン小路の石段を上がり、ノルマン通りを歩き、実物のムーラン・ド・ラ・ギャレットも見たのです。
それらは、指摘されないと気づかない普通のヨーロッパの街角でした。
でも、ユトリロが描いた絵は、詩情に溢れ、静謐で、それでいて人恋しさを感じさせます。きっとユトリロの目には、モンマルトルの街角はそのように映っていたのでしょう。
私はユトリロの絵から、画家の心を感じることを知りました。
孤独な心を抱いて、詩情あふれる、静謐な世界を描いたモーリス・ユトリロ、大好きな作家です。
(ユトリロ『パリ郊外』に孤独な魂が引き寄せられた!~倉敷大原美術館:村川久夢)

《あわせて読みたい記事》
*名画鑑賞は自分と向き合う時間~東京都美術館『スウェーデン絵画展』で出会った光と影
*散らない桜に酔いしれた~東京中目黒「郷さくら美術館」
▶村川久夢作品

👇️「村川久夢作品」ページはこちらから👇️
▶『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』紹介

『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』は、村川久夢がうつ病、夫の急逝、失職など50代で経験したつらい出来事から復活し、「もう年だから」「今さら遅いから」などの「心の制限」を外し、50代で人生を再生させたノンフィクションです。誰かのためではなく、自分の心にしたがって生きるようになった経験を描きました。
*電子書籍(Amazon Kindle「読み放題」に登録されている方は0円でご購読いただけます。一般価格は550円です)下記ボタンよりお申込み下さい。
*ペーパーバックは、880円(送料210円)です。下記ボタンよりお申込み下さい。
▶村川久夢ホームページトップ

村川久夢ホームページトップには、最新7ブログ、著書に頂いた感想、村川久夢作品や「ああ、京都人シリーズ」へのリンクも紹介しています。ホームページトップへは、下記ボタンをクリックして下さい。



