<ユニークな「京都風たぬき」>
「あら? 『たぬき』なのに、揚げが入っているわ! だしはあんかけなのね?」と東京の友人が「京都風たぬき」を食べて言いました。
京都風とことわるのは理由があります。東京の友人が驚いたように、京都の「たぬき」は、独特なのです。
京都生まれ京都育ちの私が小さい頃から、「たぬき」と呼んで親しんで来た麺類は、刻んで甘く炊いた揚げと九条ネキを、うどん又は蕎麦に乗せ、あんかけだしをかけた麺類です。薬味はおろし生姜。これが、いわゆる「京都風たぬき」です。
「たぬきうどん」は地域ごとに異なりますが、京都風たぬきはその独自性が魅力です。
<他府県では味わえない!京都風たぬきの魅力とは?>
京都の「たぬき」は他府県とは違い独特です。盆地の京都は、冬は底冷えがして寒いので、麺に絡んで熱を逃さない「あんかけだし」の麺類が好まれます。
「たぬき」という呼び方の由来は、きつねうどんにドロッとしたあんかけだしをかけたのが京都のたぬきです。「きつねがドロンと化けて『たぬき』になった」というのです。
「あんかけは湯気が出ないがとても熱い。そこで、だます、化かすの意味で『たぬき』と言われたのでは」という説もあります。
私は、京都の『たぬき』が大好きです。特に、これからの時期は「京都風たぬき」は温まって、最高に美味しいです。
薬味のおろし生姜を全体にまぜて、あんかけだしが絡まっている細めのうどんを啜ると、体のなかを熱いうどんが通って行くのを感じます。甘く煮た揚げと九条ネギも美味です。うどんを食べきって、あんかけだしを飲み干すと、おろし生姜の効果もあって、汗が吹き出します。軽い風邪なら吹っ飛びます。
これは単なるうどんではなく、京都の寒い冬を支える温かい文化そのものです。
<実際に食べられるお店: 招福亭>
京都にいらしたら、ぜひ「京都風たぬき」を食べてみて下さいね。「京都風たぬき」を食べてみたい人は、京都の下京にある「招福亭」がお勧めです。
<招福亭のインフォメーション>
所在地:京都府京都市下京区艮町894
電話番号:075-351-6111
アクセス:京都駅から徒歩15分、地下鉄五条駅から徒歩5分
特徴:「京都風たぬき」他、メニュー多数、セットメニューあり、そばは茶そば
「招福亭」のインフォメーションは下記をクリック!
<家庭で作る京都風たぬきうどん>
以前、私が投稿した「京都風たぬき」のレシピです。このレシピでは、そばで「京都風たぬき」を作っていますが、もちろん、うどんでもOKです。「かつお風味」と「昆布風味」のだしのもとを使って、簡単に調理できるレシピです。
<簡単!京都風たぬきうどんの作り方>
材料: うどん、揚げ、九条ネギ(青ネギ)だしのもと(かつお風味)、だしのもと(昆布風味)、醤油(あれば薄口)、砂糖(揚げ用)、みりん(揚げ用)、片栗粉、生姜
作り方:
1、鍋に水1000ccを入れ、沸騰したら、2種類のだしの素、みりん、醤油を入れる。
2、別の鍋に1のだし汁を200cc取り、砂糖小さじ1、みりん小さじ1を加えて、小さく切った揚げを甘く炊く。
3、蕎麦を茹でる。
4、蕎麦を茹でている間に、ネギを斜め切りに、生姜はすりおろし、片栗粉は水で溶いておく。(あらかじめ用意してもOK)
5、揚げを煮た煮汁で、斜め切りにしたネギをしんなりするまで炊く。
6、蕎麦が茹で上がったら、器に入れ、甘く炊いた揚げと九条ねぎをのせる。
7、水で溶いた片栗粉をだし汁に入れ、だし汁をあんかけにする。6のうえから、だし汁をたっぷりかけ、すりおろし生姜を添えて、いただく。
※詳しいレシピは、下記リンクをクリックして下さい。リンク先のページでは材料や調味料の分量、写真付きの作り方があり、わかりやすいです。
<「京都風たぬき」は人に寄り添い進化した>
京都で生まれ育った私には、「たぬき」と言えば、刻んだ甘い揚げとあんかけのだしが一番に思い浮かびます。しかし、京都の「たぬき」は他府県とは違い、独特なようです。
大阪や関東では、たぬきの意味が全く異なります。大阪では『たぬき』はきつねそばのことであり、関東では揚げ玉が乗った麺を指します。
「たぬき」は、消費者の好みや料理人の工夫に応じて姿を変えてきたのですね。身近な麺類「たぬき」は、地域が異なると全然違っていたりするのは、なんだか興味深いです。
「京都風たぬき」は、名前を知っただけではその魅力はわかりません。一口食べて初めて、その温かさと優しさが心に響くのです。
この冬、京都を訪れたら、ぜひ「京都風たぬき」を食べてみてください。それは、単なる食の体験ではなく、京都の文化を味わう特別な体験になるはずです。
<こちらでも京都の食文化も紹介しています!>
拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』2章では、京都人の「食」に生きている知恵について書いています。また、「ちょっと一息(2)」では、「京都風たぬき」についても紹介しています。
村川久夢は、京都生まれの京都育ち。一人の京都人の目を通して、京都や京都人について、拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』に書きました。戦争や政争が絶えなかった京都で、生き抜いて来た京都人の知恵を書きました。また、観光化されていない日常の京都や地元の人に愛されている京都の穴場、食べ物やお店についても新著に書きました。
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