
「あなたはあなた、私は私」と言うと、なんだか利己的で冷たいように聞こえますね。
しかし、あなたは他人の感情に巻き込まれて苦しんだ経験はありませんか? 反対に悪気はないのに、人に自分を押しつけてしまい、トラブルになって悩んだことは?
実は、「あなたはあなた、私は私」と心の境界線を引くことで、これらのトラブルを回避し、良好な人間関係を築けるのです。

<笑い話のつもりが……>
それは、私が友だちのAちゃんと他愛のない話をしていた時のことでした。
「ちょっとチャラいB君に嵐山に行こうと誘われたの。B君はチャラいけど、悪い人ではないし、嵐山にも行ってみたかったし。当日、集合場所に行ったら、B君好みの女の子が10人近く来ていて笑ってしまった!」」
という話をしたのでした。私が話している途中から、Aちゃんの表情がだんだん険しくなってきました。 「信じられない! その男、気持ち悪い! 」とつぶやいていたのです。

私が話し終わると、Aちゃんはものすごく怒っていました。
「どうしてそんな男なんかと一緒に嵐山に行くの!」
「え……?」
「そもそも、なぜそんな男と友だちなの!」
「なぜ怒っているの?」
「女の子を何人も連れて歩くその心理が許せないわ!」

Aちゃんは、たいへんな剣幕で怒るのです。笑ってくれると思って話した私は、Aちゃんの怒りの理由がわからなくて、戸惑うばかりでした。
「B君がちょっとチャラいけど、面白くて悪い人ではないの。嵐山はとても楽しかったよ」
「私、あなたには、そんな男と付き合ってほしくないわ! あなたの気持ちが理解できない!」

嵐山に行ったのも私、B君と友だちなのも私です。なぜAちゃんがそんなに怒るのかわからず、「あなたの気持ちが理解できない!」と言いたいのは私の方でした。
笑い話のつもりで話したのに、険悪な雰囲気になって、私は嫌な気分になったのでした。
<心の境界線を引けない>
今思うと、Aちゃんは、心の境界線を引けなかったのでしょうね。感受性豊かで、人の喜びや悲しみを自分のことのように感じるAちゃんは、人のうれしい話は自分のことのように喜び、人のつらい話しには涙を流して悲しむのです。困っている人のことは放っておけずにいつもお世話してあげているのです。
でも、「あなたには~してほしくない」という発言も多いのです。他人の感情を自分のことのように捉えてしまい、「自分の気持ちがわかるはず」と他人に自分の気持ちを押しつけてしまうこともありました。
Aちゃんの愚痴を延々と聞くはめになったり、私には関心のない話題でも平気で話しつづけたりするAちゃんといると、少し疲れるのも事実だったのです。Aちゃんに悪気はないのに、トラブルになってしまって、悩んでいる姿を何度も見たことがありました。
「笑い話のつもりで話したのに、Aちゃんは不愉快だったのね。ごめんなさい」
私が謝っても、Aちゃんはとても不満そうでした。謝りながらも、心のどこかで納得できない気持ちが残っていたのです。
今までは適当に合わせていたけれど、今回は違いました。Aちゃんと私は友だちだけれど、「AちゃんはAちゃん、私は私」と気づいたのでした。

<健全な人間関係の鍵>
実は、以前の私もAちゃんのような傾向がありました。自分が嫌いな人を友だちが同じように嫌わないと不満だったり、自分が好きなものを、友だちが好かないと怒ったり……。
あの頃の私も「私は私、あなたはあなた」と思えませんでした。心の境界線を引けなかったのです。知らないうちに人の心に入り込んだり、反対に友だちに振り回されたりしていました。常に人間関係に悩み、つらかったのです。

だから今は思うのです。「あなたはあなた、私は私」と心の境界線を引くことが、健全な人間関係を保つためのたいへん重要な鍵だと。
心の境界線は、人と人との適切な距離感です。適度な距離感を保てれば、違いを尊重できるようになります。周りに影響されず、自分で選択して生きられるようになります。「ノー」も「ありがとう」も言える人生になるのです。

人との適度な距離感を保ち、、お互いの違いを尊重できる良好な人間関係を築きたいですね。あなたも、心の境界線を大切にし、自分自身を守りながら、自分らしい人生を手に入れましょう!

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