子どもの頃の食事で、私は好きなものを最後に食べていました。あなたは好きな物は最初に食べますか? 最後に食べますか? 弟は好物から食べましたが、私は「好きなものを後の楽しみに取っておく」という食べ方でした。
しかし、それは食習慣だけではなく、私の思考の癖になっていたのです。恐ろしいものでその思考のクセは、私を知らない間に支配していたのです。
たとえば、可愛いお気に入りの文房具は使わないで取っておく、綺麗なおもちゃは普段使いにすると汚れたり、壊れたりするのでしまっておく、オシャレな靴や衣服は、よそに行く時だけに着て、普段は質素な服を着る
なんだか今を楽しむことが罪悪であるかのような思考ですよね。オーバーな表現のように響くかも知れませんが、本当にそうだったのです。窮屈な面白くない考え方でした。好きな物を最初に食べることにすら、罪悪感を覚えるしんどい生き方を私は長い間していたのです。
しかし、鬱と夫の死が私を襲い、私は大きく変わらざるを得ませんでした。
私の40代は、鬱に苦しめられた時だったのです。。それまでと同じようには過ごせなくなりました。鬱を患うと、常に重い倦怠感に悩まされ、意欲も集中力も非常に減退したのです。
以前は、私は粘り強く物事を実行する方でしたが、思うように動けなくなったのでした。それどころか、パジャマから着替える、お風呂に入る、外に出る、バスや電車に乗る、人に会うなど、ごく普通の生活さえ送れなくなりました。
鬱を患う前、私は中学の英語教師でした。「退職して時間ができたら、絵を習おう」「退職したら編物教室に通おう」と、やってみたいことは、ことごとく「退職したら……」と先の楽しみにしていたのです。
今思えば、あの時もっとやっておけば良かったと心の底から思います。年齢を重ねると、絵を描いたり、編み物をしたりする体力も根気も衰えてきます。老眼で細かい部分が見えづらくなり、少し作業しただけで、肩が凝ったりするのです。「やってみたい」と思ったら、体力も気力もある時にする方が、ずっと良いです。
20代~30代の頃、私は外国旅行が好きで、夏休みには休暇を取って、主にヨーロッパに旅していました。外国旅行が夫と私の共通の趣味でしたが、夫はなかなか休暇が取れなかったのです。「退職したら、飽きるまで思い切りヨーロッパを旅行しよう」と夫とよく話したものでした。
夫は51歳で急逝したのです。夫の訃報を聞いた時、私は一瞬なんのことか理解できませんでした。事情が理解できると、圧迫感に襲われ息が吸えないような感覚に陥りました。その時、私たちの夢は儚く消えたのです。
鬱になって何もできなくなった私。追い討ちをかけるように夫を失い、人生がいかに儚いものかを思い知らされました。私は「人生は無限じゃない! もっと今を楽しまなきゃ!」と痛感したのでした。「行きたい!」と思ったところに行く。「会いたい!」と思った人に会う。「やってみたい!」と思ったことをする。私はそういうタイプに変わりました。
本を出版したいと思った時、東京にある出版スクールに入ることを決めたのです。当時、私は地元京都からほとんど出たことがありませんでした。そんな私が、一人で出版スクールに通うのは大変でした。でも、決意して、通ったのです。
念願は叶って、半年後には最初の本を出版することができました。出版された自分の本を見た時は、感激で胸が熱くなりました。
憧れていた作家が、福岡県で開催されるフェスティバルで講演されるのを知って、福岡まで出かけました。当時は父と二人暮らしで、父を一人にできなかったのです。朝一番の新幹線で福岡まで行き、最終の新幹線で京都に帰ってきました。日帰りだったのです。
強行軍の福岡行きでしたが、憧れの人と直接話ができ、励ましのことばをもらって、胸に勇気と元気があふれて来たのを今でも覚えています。
作家になりたいと思ってからは、毎日ブログを書いて投稿しています。三冊の本を世に送り出しました。人に元気や勇気を運びたいと思いブログを書き、本を出版しています。
まだ無名の私ですが、Amazonに「本に大変励まされた!」「勇気が湧いて、私もやってみようと思った!」というレビューをたくさん頂いたり、SNSに同じような趣旨の感想を多数頂いたりするようになりました。
もっとたくさんの人に勇気や元気を運びたいです。特に生きづらさに悩む人が、「生きることを楽しんでみよう!」と思えるブログや本を書こうと思います。私のブログや本を必要としてくれる人に届けたいです。
私はすっかり変わったのです。食事をする時も、今は好きなものを最初に食べます! 「食べたい!」と思ったものから食べるようになりました。食事の順番だけの話ではないのです。人生も同じなのです。楽しみを先に延ばすのは、キッパリやめました。今を目一杯楽しんでいます。だって人生無限ではないですから!
あなたもそう思いませんか? やってみたいことや好きなことは、先延ばしせず、今できることから行動して楽しみませんか? できない事情があっても、その条件の中でも、できることを探して、やってみるのです。「好きなことは、いつやるの?」今しかありませんよ。
難しく考えなくていいのです。たとえば、好きな物を最初に食べてみるのはいかがですか? 気になっていたあのカフェに行ってみませんか? 家の中の使っていないお気に入りを、今日から使ってみませんか? 「今を楽しむ」ことは、好きなものを最初に食べることと同じ。一歩踏み出した先には、今まで気づかなかった小さな幸せが待っています。好きなものを味わいながら、人生を楽しんでいきましょう。
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