短編小説『雨色の扉~晴れの日がつらいあなたへ』
1 部屋の窓から、木香ばらが満開に咲いているのが見えた。外は快晴。だが、優奈(ゆうな)は、その快晴がつらかった。 晴れの日を楽しめない自分が責められているような気になるからだ。 ――晴れの日なんか嫌いや! 優奈の色白の...
1 部屋の窓から、木香ばらが満開に咲いているのが見えた。外は快晴。だが、優奈(ゆうな)は、その快晴がつらかった。 晴れの日を楽しめない自分が責められているような気になるからだ。 ――晴れの日なんか嫌いや! 優奈の色白の...