粕汁は大人の味~ああ、京都人~

私が作った粕汁

 

冷え込む日は、汁物が温まって美味しいですね。京都は酒処伏見があり、酒粕を手に入れやすいからか、冬の汁物として粕汁が好まれています。

 

私が子どもの頃、冬になると父の好物の粕汁を祖母がよく作っていました。ブリや鮭のアラ、短冊切りにした大根と金時人参をだし汁で煮込みます。酒粕を最後に加えて粕汁の出来上がりです。薬味は芹と七味でした。

    

<粕汁が嫌いだった>

実は子どもの頃、私は粕汁が大嫌いでした。調理している時の匂いが嫌いだったのです。

 

子どもだった私には、ブリや鮭のアラを炊く生臭い魚の匂いが、まず嫌でした。そこに酒粕の酒臭い匂いが混ざると、耐えられない匂いに思えて食べる気がしなかったのです。

 

大人たちはアラをせせりながら、「美味しい!美味しい!」と言って、お代りして食べていたのを覚えています。

 

好き嫌いは許されませんでしたが、粕汁は酒粕が入っていることもあって、「まあ子どもだし」と言うことで食べずにすみました。

   

<意外に美味しかった!>

私が粕汁を食べるようになったのは、中学生になってからでした。部活動の後だったので、お腹を空かせていたのでしょう、嫌いな粕汁を食べてみる気になりました。寒い日だったような記憶があります。

 

大ぶりな汁椀の粕汁を手に取ると、そんなに嫌な匂いではなかったのです。食べてみると意外にも美味しい!

 

空腹だったこともあって、お代りをして食べました。粕汁を食べられるようになった自分が少し大人になったように感じたことを覚えています。

 

<大人の味がわかった>

あれから数十年経ち、今ではすっかり粕汁が好きになりました。祖父母や両親のように「美味しい!美味しい!」と言ってお代りして粕汁を食べています。

 

魚のアラで粕汁を作っていた祖母も、鮭の切り身で粕汁を作ってくれた母も亡くなりました。私は手軽な鮭缶や鯖缶で粕汁を作っています。

   

今でも粕汁を作ると、祖母の作った粕汁を家族が「美味しい!美味しい!」と言ってお代りして食べていた幼い日の光景が目に浮かびます。

   

そして、中学生だった私が「大人の味が分かるようなった」と感じた母の粕汁を懐かしく思い出すのでした。

     

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