父は来年1月の誕生日で90才卒寿です。
そこで何かお祝いをしようと思いました。
「オトーチャン、何か欲しいものあるか?」
と尋ねると、
「ない」とあっさりした返事が返って来ました。
「何か食べたい物はあるか?」と尋ねると
「ない」とまたあっさり言われました。
「すし岩(美味しいので有名な近所の寿司屋)
のお寿司は?」
「お前が食べたかったら食べてもええで」
とみごとに本心を見抜かれました。
「なんかして欲しいことあるか?」
「それはある!
ワシの部屋の蛍光灯の豆球が切れたし替えて」
と笑い話のような会話をしました。
父の好物は冷凍の唐揚げ、ソースとんかつ、
フリーズドライの玉子スープ、
レトルトのミートボール、「味好み」、キャラメル。
一番好きな場所は
自分の部屋の手を伸ばせば何でもとどく
自分の席。
父にとってこのごく普通の日常が
一番好きなことであり、好きな食べ物であり、
好きな場所なのです。
父の年齢になったら、朝、目が覚めて
「あ~あ、今日も生きていた!」
と何気ない日常を送れることが
何よりのプレゼントなのかも
しれないですね。
*鬱・夫の死を克服した作家&
インナーチャイルドカードセラピスト
村川久夢(むらかわ くむ)
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