京都の朝はあっさりのお茶漬けや!

「京都の朝はあっさりのお茶漬けや!」

 

私が幼い頃、

わが家の支配者で生粋の京女の祖母は、

こう言い張って絶対に譲らなかった。

なのでわが家の朝ごはんは、

ご飯と漬物とお茶、

つまりお茶づけだけだった。

他の副菜は一切なかった。

 

お漬物は祖母が漬物樽で漬けている

ぬか漬けだった。

季節によって素材が変わるので、

けっこう美味しかった。

ご飯はおくどさん(かまど)で炊いていた。

ご飯もまあまあ美味しかった。

 

だが、365日毎日お茶漬けだと飽きる!

 

「お祖母ちゃん、

玉子のごはん(玉子かけご飯)して~」

「お祖母ちゃん、お味噌汁たいて~」

「お祖母ちゃん、

昨日のおかずの残り食べよ~」

 

などと言おうものなら、

「朝から口卑しい!」

と祖母はカンカンになって怒った。

 

祖母にとっては質素倹約が美徳だった。

それが京都のしきたりだと、

祖母は信じて疑わなかった。

他の京都の家庭は、

どうだったのかは知らないが、

わが家はそうだった。

 

私は貧相な朝ごはんに不満だったが、

祖母の朝ごはんが、

本当に美味しくて好きな時期があった。

それは夏休みに入るこんな時期だった。

 

祖母は胡瓜や茄子をぬか漬けにしていた。

時々古漬けが出来ると、

水に浸して塩出しをして、

飴色になった胡瓜や茄子を細かく刻んで

絞ってくれた。

その古漬けにおろし生姜をまぶして、

醤油をかけると絶品の美味しさだった。

 

夏なので冷ご飯に冷たい番茶をかけ、

この古漬けのお茶漬けを食べると、

古漬けの旨味と塩気、生姜のアクセント、

冷たい喉ごしが良く、

お茶漬けは何杯でも食べられた。

子ども心にも「美味しい!」と思った。

 

祖母は30年以上前に亡くなり、

祖母の漬物樽も処分され、

私の朝食はトーストとコーヒーになった。

 

けれど、夏休みに入る頃になると、

父方の祖母が漬けた古漬けと

冷たいお茶漬けを

懐かしく思い出すのだった。

 

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*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

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