「ついに来たか!」と思ったけれど

父が自宅で倒れて、

失禁していたので下着を変えた時、

「ついに来たか!」と思った。

 

正直、お先真っ暗という気分だった。

 

10日ほど自宅で介護した時は、

先が見えずに気が重かった。

 

でも案外救われたのが父の前向きさだった。

 

父が倒れるまで、

父と私はお互い程よく無関心だった。

私は父のことを知っているつもりで、

あまり知らなかったようだ。

 

私や弟が介護すると、

「すまんな~おおきにやで~

娘も息子も孝行な子や~!

南無阿弥陀仏(なまんだぶつ)」

と手を合わせて感謝する。

 

でも、自分がして欲しいことは、

しっかり要求する。

 

また元気になることや

歩けるようになることを全く諦めていない。

ごく自然に「また歩けるようになりたい」

「あるけるのだ」と願い信じている。

楽観的で暗くない。

 

昔は常識人で面白みが全然なかったけれど

案外とユーモアもある。

ちゃっかり面食いでもある。

 

父が倒れて大変なこともあるけれど、

父の可愛げを知ることができた。

 

また元気になって歩けるようになって、

家に帰ってきて欲しいと願う私だ。

 

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*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

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