恋をすると芸に艶が出る

昔、「恋をすると芸に艶がでるから」

と知り合いの声楽家の女性が言っていた。

彼女は奔放な人で、

一般的には批難されるような恋愛にも

臆することがなかった。

 

当時、まだ20代だった私は、

頭が固くて理屈っぽかった。

わかったようなわからんような気分で、

彼女の言葉を聞いていた。

そう言えば、「女遊びは芸の肥やし」

と言う言葉も聞いたことがある。

 

本当のところどうなのだろう?

 

若く理屈っぽかった私も

30年の歳月にさらされると

それなりにいろいろな経験をした。

 

作家として、小説を書く時、

「恋をすると芸に艶がでるから」

という奔放な声楽家女性の言葉を

思い出すことがある。

 

恋愛小説など書く時、

その恋愛が不倫と言われる

恋愛であったとしよう。

最近はネットが発達しているので、

ちょっと検索すると、

不倫をしている人のリアルなブログなどを

読むことができる。

「お悩み相談」で不倫のつらい心情を

読むこともできる。

想像力や表現力に富む人なら、

リサーチと想像で

面白い不倫物語が書けるかも知れない。

 

でも不倫恋愛の喜びや辛さを表現する時、

自分にその経験があるのとないのとでは、

その表現の豊かさやリアリティが

違って来るように思う。

自分の中に感情や経験の引き出しが

たくさんあると、

表現力の深さや幅が広がるようにも思う。

 

「梅雨空」という掌編小説を書いてみた。

「不倫」という言葉を使わずに

不倫のワンシーンを描いた。

 

(掌編小説『梅雨空』)

 

この掌編小説で私が描きたかったポイントは、

「コーヒーカップの傍らに微かに写っている

もう一つのカップ」。

これに目が釘付けになる心理は

当事者でないとわからないのでは?

と思い不倫掌編小説の小道具に使った。

 

あくまで私の場合だけれど、

ストーリーは頭で考え、

細部は実体験で肉付けすることが多い。

そうすると小説にリアリティが加わるように

思うからだ。

 

表現する時に芸にリアリティを与え、

聴衆の心情に訴えられる。

「恋をすると芸に艶が出る」とは、

こういうことなのかと思うようになった。

 

表現者の一人となった今は、

とても興味深く感じられる。

 

「恋をすると芸に艶が出る」と今は私も思う。

恋も、そして興味を感じることは

臆することなく積極的に挑戦し心を動かし、

感情や表現の引き出しを増やしたい。

 

私の人生に艶が出ることだろう。

 

*----------*

*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

*----------*

「村川久夢ホームページ」

<ホームページ>

セッションのお申込みは下記フォームから

<お申込みフォーム>

村川久夢作品のページはこちら

<村川久夢作品>

セルフマガジンのお申込みはこちら

<セルフマガジンお申込みフォーム>

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA