私は90才の父と二人暮らし。
最近、親の老い、親の介護の問題が
ひしひしと身に迫るのを感じます。
今日はそんな私の気持ちを
率直に描いたエッセイです。
『おまえの親なんやから仕方がないやろ!
~追い詰めないで~』
<自分の親やから仕方がないやろ!>
「自分の親やから仕方がないやろ!」
と夫によく言われた。
母のパーキンソン病が進行して
重い介護が必要な時だった。
本当に心ない言葉だと今でも思う。
当時、私は重い鬱を患っていて
自分のことすらちゃんと出来なかった。
父が母の介護をしてくれた。
父は一人でたいへんだったと思う。
<親世代の老い>
母が亡くなって11年経った。
父は90才になったが、
90才という年齢のわりには元気で
自分のことは自分でしている。
でも、足腰が弱り、老人性難聴が進み、
記憶力が衰え、
自分で出来ないことが増えてきた。
足腰の衰えで父は一人で
外に出かけることが困難になり、
老人性難聴難聴と記憶力の衰えで
会話が成立しにくい。
顔を合わせると用事しか頼まれなくなった。
・入れ歯洗浄剤がなくなったし買うて来て
・部屋の電気の豆球が切れたしつけて
・差し歯が抜けたし歯医者に連れて行って
・目薬がなくなったし買うてきて
・味好み(菓子)がなくなったし買うといて
一つ一つの用事は些細なことだけれど、
妙に追い詰められたような気分になる。
<苛立ちと罪悪感>
今までは、
二世帯住宅に住んでいることもあって、
食事の時だけ顔を合わせて、
お互い気楽に暮らしていた。
でも、父の老いが進み、
だんだん介護の必要性が増してくると
本当にジリジリと
追い詰められた気分になってくる。
先日、忙しくて疲れている時に、
父の差し歯が抜けた。
夜遅くに父がリビングに来て、
歯科医院に連れて行って欲しいと言った。
私は疲れていて、
精神的に飽和状態になっていたのか、
父の頼みに
苛立ちがピークに達してしまった。
私は父を無視して部屋の電気を消して、
黙って寝室に行った。
苛立ちと罪悪感が混じった
とてもイヤな気分だった。
翌日、私が知らない間に、
父は黙って一人で歯科医院に行った。
申し訳ない気持ちと
やりきれない気持ちでいっぱいになった。
<追い詰めないで>
おまえの親やから仕方がないやろ!
といわれたら、その通りだ。
でも、わかってほしい。
いっぱいいっぱいの時だってある。
追い詰めないでほしい。
時々、テレビ等で
児童虐待や老人虐待のニュースを
見聞きするけれど、
背景には一人でどうしようもなく
追い込まれている母親父親、娘息子が
存在しているのではないだろうか?
確かに自分の親の介護だけれど、
お願い!追い詰めないで!
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*村川久夢
親の介護関連のエッセイ
~親お介護で愚痴った時、
お願いだから説教しないで~』
~自分が出来ないことを
人に強制するの止めてくれますか!~』
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*鬱・夫の死を克服した作家&
インナーチャイルドカードセラピスト
村川久夢(むらかわ くむ)
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